電源と電池USB・電池・レギュレータ。回路にどう電気を供給するか
回路は電源がなければ動きません。電子工作で使う電源はほぼ「USB の 5V」「電池」「マイコンボードの 3.3V 出力」の 3 つ。それぞれの電圧と、取り出せる電流の上限を知っておくと、「動かない」「壊れた」の多くを防げます。
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01 — SOURCES
よく使う電源
| 電源 | 電圧 | 取り出せる電流の目安 | 用途 |
|---|---|---|---|
| USB(PC / 充電器) | 5V | 500mA〜(充電器なら 1〜3A) | 開発中の標準。マイコンボードはここから 3.3V を作っている |
| ボードの 3V3 ピン | 3.3V | 数百 mA(ボードのレギュレータ次第) | センサー、小さな表示器 |
| ボードの 5V ピン | 5V(USB そのまま) | USB の残り | Grove の VCC、5V が必要なモジュール、サーボ 1 個 |
| 乾電池 | 1.5V × 本数(3 本で 4.5V、4 本で 6V) | 数百 mA | 持ち運び。ボードの 5V 入力へ |
| リチウムイオン / LiPo | 3.7V(満充電 4.2V) | 大きい | CoreS3 の内蔵電池。充電回路と保護回路が必要 |
| USB モバイルバッテリー | 5V | 1〜2A | 持ち運びで一番手軽。ただし電流が小さいと自動で切れる機種がある |
| Raspberry Pi 5 | 5V 5A の専用アダプタ | — | PC と同じで、電流が足りないと不安定になる |
02 — REGULATOR
レギュレータ — 5V から 3.3V を作る
マイコンの中身は 3.3V で動きますが、USB は 5V。ボード上の「レギュレータ(LDO)」が 5V を 3.3V に落としています。3V3 ピンはこのレギュレータの出力です。
USB 5V を受け取り、LDOレギュレータが 3.3V を作って ESP32 と 3V3 ピンに配電します。差分の 1.7V は熱になります。
- レギュレータには電流の上限がある。開発ボードのものは 800mA〜1A と書かれていても、放熱の都合で実用は数百 mA
- 3V3 ピンにモーターや多数の LED をつなぐと電圧が落ち、マイコンがリセットする
- 5V が必要なものは 5V ピンから、3.3V で足りるものは 3V3 ピンから。迷ったら部品の「動作電圧」を見る
03 — CURRENT BUDGET
電流の見積もり
「電圧が合っていれば動く」と思いがちですが、電流が足りないと電圧が下がってリセットや誤動作になります。使う部品の消費電流を足し算して、電源の上限と比べます。
| 部品 | 消費電流の目安 |
|---|---|
| ESP32-S3(Wi-Fi 送信のピーク) | 300〜500mA |
| ESP32-S3(Wi-Fi を使っていないとき) | 数十〜100mA |
| LED 1 個 | 5〜20mA |
| 小型サーボ(SG90)が動く瞬間 | 数百 mA(起動時は 1A 近く) |
| I2C センサー | 数 mA |
| 小型 OLED(128×64) | 10〜20mA |
| Raspberry Pi 5 本体 | 1〜3A(USB 機器を含めると 5A 推奨) |
例:ESP32-S3 + サーボ 1 個を PC の USB(500mA)で動かすと、Wi-Fi 送信とサーボの動き出しが重なった瞬間に足りなくなります。サーボは別電源にするか、電流に余裕のある充電器から給電します。
04 — BATTERIES
電池で動かす
- 乾電池 3 本(4.5V)〜 4 本(6V)を開発ボードの 5V ピン(入力兼用)へ。ボードのレギュレータが 3.3V にする。3V3 ピンに直接 4.5V を入れない
- CoreS3 は内蔵 LiPo。USB を挿せば充電される。自分で LiPo を扱うときは保護回路つきのものを使い、ショートに注意する
- 電池の残量は電圧で分かる。乾電池 1 本 1.5V → 1.1V くらいで交換
- Wi-Fi を使う ESP32 は電池を早く消耗する。送信したら眠る(deep sleep)と、数日〜数か月動く
05 — COMMON GROUND
GND を共通にする
2 つの電源(例:USB で動くマイコンと、電池で動くサーボ)を組み合わせるときは、GND 同士を必ずつなぎます。GND がつながっていないと信号の「0V の基準」が合わず、正常に動きません。
外部電源使用時の共通GND接続。電源が2系統あってもGNDは共通にします。マイコンのGNDと外部電源のマイナス側を1本で結びます。
06 — WATCH OUT
注意点
レギュレータの出力側に外から電圧をかける形になり、壊れます。逆に 5V 専用の部品に 3.3V を供給しても動かないことがあります。
逆挿しは部品を壊します。LiPo のショートは発火につながるので、むき出しの端子を金属に触れさせないようにします。
電圧が足りないとリセットを繰り返します。USB ケーブルが細い・長いだけでも起こります。
07 — CHECK YOURSELF
理解チェック
Q13.3V・5mA で動くセンサーは、どのピンから電源を取る?答えを見る
3V3 ピン。5V ピンにつなぐと壊れる可能性がある。
Q2ESP32 でサーボを動かすと Wi-Fi が切れる。原因は?答えを見る
電流不足で電圧が落ちてリセットしている。サーボを別電源にして GND を共通にする。
